Hanabi  (特許申請済:特許平10-285333)

 ごらんの通り「あかさたなはまやらわ」の10ボタンと「機能ボタン」と呼ばれる補助ボタンから構成されています。たとえば、「あ」ボタンで「あいうえお」の5音を入力できます。

(スクリーンショットで「漢」ボタンはE漢字。Hanabiで平仮名入力し、E漢字で漢字変換)

操作は簡単、

  • 「あ」をタップすると「あ」が入力できる
  • 「あ」をタップして右へスライドして放すと「い」
  • 「あ」をタップして下へスライドして放すと「う」
  • 「あ」をタップして左へスライドして放すと「え」
  • 「あ」をタップして上へスライドして放すと「お」

という様に、ボタン上でのジェスチャーを用いて、たった1つのボタンで5音を入力することができます。ジェスチャーと「い・う・え・お」の対応付けはユーザーが変更できます。

ボタン

タップのみ

タップ後のスライド方向 (ユーザー設定可)

あ行

か行

さ行

た行

な行

は行

ま行

や行

ら行

わ行

機能ボタンでは、以下の操作が可能です。

  • タップすると直前の1文字を次のように変換する
    • 濁音・半濁音または拗音・撥音に切り替える
      • 例1: 「は」→「ば」→「ぱ」→「は」に戻る
      • 例2: 「か」→「が」→「か」に戻る
      • 例3: 「や」→「ゃ」→「や」に戻る
      • 例4: 「つ」→「づ」→「っ」→「つ」に戻る
  • タップして左にスライドして放すとバックスペース
  • タップして下にスライドして放すと句読点
  • タップして右にスライドして放すと「おー」などの音を伸ばす記号


Hanabiの特徴

 Hanabiは、Newtonなどのペン入力機器で日本語を入力するための操作インタフェースです。Hanabiが特にその効果を発揮するのは、次のような場合の日本語入力です。

  • キーボード初心者
    • 日本人に馴染みの深い「あかさたなはまやらわ」の10個のボタンのみを配置しているため、従来のキーボードのように文字を探す時間が掛からない
    • キーボードに苦手意識を持つ人でも、少ないボタンであれば理解しやすい
    • ボタンを押してスライドするだけの操作なので、入力操作が容易に修得できる
  • ペンでの操作領域が狭い機器
    • ローマ字入力(26個以上のボタン)、かな入力(50個以上)のソフトウェアキーボードは画面の占有領域が大きく、作業中の文書の表示領域を狭くし、頻繁なスクロール操作などで作業性を低下させる
    • Hanabiボタンは10個(または12個)しか必要としないので、画面を非常に広く有効に使うことができる
  • CPU処理能力が低い機器
    • 高度なペン入力機器では手書き文字認識が可能であるが、それには大変なCPU能力もしくは別途認識用のCPUを搭載する必要があり、低コストの機器では実現できない。
    • Hanabiは「ペンのタップとスライド」という、ペン入力装置の基本中の基本の操作のみを利用しているため、ペン入力が可能な全ての機器に応用可能

また、カスタマイズ時の利点としては

  • ボタン配置の自由度が大きい
    • Hanabiではボタン数が少ないため、ボタン配置の自由度が高い。様々なボタン配置が考えられる
      • 縦一列/横一列など、画面占有を考慮した配置
      • 上記スクリーンショットのように固めて配置し、ペン操作の移動距離を小さくする

これ以外に、Hanabi操作を使った片手キーボードについても特許申請済です。


2008年、Hanabiに似た「フリック入力」がiPhoneに採用されました。